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医療事務は医療機関にとって欠かせない職種です。
私たちや家族が病院を受診・入院したとき、必ず接する病院スタッフさんですよね。
専門的知識や経験が必要とされ、その分やりがいはとても大きいものでしょう。
しかし実際に医療事務として働いた方の本音は様々です。
今回は、医療事務の仕事内容の実態と多くの人が感じるストレス、処遇などについて探っていきます。
医療事務の仕事内容は勤務先によって差がある!?
医療事務の仕事内容にはどんなものをイメージしますか?
受付対応や患者さんの診療費の会計、カルテの準備などを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
もちろんこれらの仕事も医療事務にとって大切な仕事です。
その他には、保険診療の場合患者さんの負担額以外の診療費を保険者に対して請求する明細書の発行業務である「レセプト業務」があります。
医療事務の仕事の中でも特に専門的知識と経験が必要となる業務です。
保険者に請求するレセプト(診療報酬明細書)には提出期限があり、提出期限が近まる月末から月始めは医療事務スタッフにとっては最も忙しい時期!
普段の診療業務に加えてレセプト業務を行わ無ければならないことと、ミスが許されない業務なので職場内は実はとてもピリピリしているんですよ。
これらの医療事務の基本的業務はどの医療機関でも行われています。
しかし個人病院やクリニックなど、規模が小さい医療機関の医療事務スタッフはこれ以外にも仕事があったり、少ない人数で医療事務の仕事を回さないとならない状況もあります。
例えば毎日の掃除や片付けなどを行っている医療事務員もいます。
同じ職場の医療スタッフ(看護師やリハビリスタッフ)が手伝ってくれることもありますが、そのために定時で帰れないこともあります。
また、小規模の個人病院は少ない医療事務スタッフでレセプト業務を行うことがほとんどでしょう。すると一人当たりの仕事量も多くなります。
一方大規模な大学病院や総合病院では、個人病院とは異なり、自分の専門的分野(医療事務、リハビリ、掃除)に集中して取り組むことがほとんどです。
また医療事務スタッフも個人病院よりも多く在籍しています。
大規模病院なので来院される患者さんの数も多いですが、医療事務スタッフの数も多いので一人で多くのレセプト業務を抱えなくてもいいのです。
このように医療事務の仕事内容や量には医療機関ごとに差があります。
医療事務にも残業する日があります!
医療事務の残業時間については、医療機関によって規約が定められているところもありますが、ほとんど残業は無いまたは少ないと考えて良いでしょう。
しかしある特定の時期だけは残業をすることがあります。
それはレセプト業務!
さきほどもご説明しましたが、レセプト業務は医療事務の重要な仕事であり、病院側にとっても収入を得るための重要な業務です。
その月に病院に来院された患者さん全員の請求処理を行わなければならないので、仕事をこなすスピードと正確性が必要です。
また診療報酬の改定があった月は、医療事務スタッフ間でも相違があったり、周知が徹底していないことがあります。
さらに看護師やリハビリスタッフの解釈にも違いが起こりやすく現場が混乱することがあります。そのため残業時間が長引くことも考えられます。
病院の規模にかかわらず、レセプトの提出期限前は多忙で残業する可能性が大きいと思っておいてください。
これ以外にも、病院内外で行われる研修会や勉強会へ参加することもあります。
近年医療業界でも、患者さんへの接遇マナーの重要性が叫ばれています。
医療事務スタッフも患者さんへの対応方法やマナーを身につけておかなければなりません。
他にも多くの病院でスタッフ全員を対象にしたコンプライアンスに関する研修会も行われています。
医療事務の業務だけでなく、医療機関で働くスタッフとして研修会に参加するために定時で帰れないことがあることを知っていてくださいね。
医療事務で働いて感じたストレス
どんな仕事に就いていても、ストレスはつきものです。
もちろん医療事務スタッフの中にも様々なストレスを抱えています。
実際現場で働いている方が感じたストレスをいくつかご紹介しましょう。
・レセプト提出期限前は午後から出勤することもあり、生活のリズムが崩れる
・レセプト業務のために休日出勤しなければならない時があった
・個人病院だと自分の裁量が必要になる場面や業務が多くあり憂うつだった
・医療事務以外のスタッフ(医師、看護師)の対応についてのクレーム対応をすることがある
・患者さんの中には医療事務スタッフが説明したことを聞こうとしない人がいる
・医療事務以外の業務(掃除など)を行わなけらばならない。他のスタッフ(看護師やリハビリスタッフ)が協力してくれない
・医療事務は女性スタッフが多いためか、男性の医療事務員は女性スタッフ以上に業務を任されることがあった
・休日出勤する回数も女性より男性の医療事務員の方が多い
・医師や看護師との人間関係を築くのが大変
・個人病院は昇給がない(または昇給額が少ない)
などなど・・挙げればキリがないほど、医療事務の仕事に就いているみなさんがたくさんストレスをかんじているようです。
ご紹介した内容は一例です。
どこの病院でも同じようなことが起きているわけではありません。
現場で働く人が感じているストレスだけでを見て、医療事務のイメージを決めつけないでくださいね。
仕事内容と給与のどちらを優先したい?本音を教えます
医療事務は資格を持っていれば、結婚や出産などのライフスタイルの変化や転職にとても有利で、特に女性から人気の高い職種です。
しかしここまでお話ししてきたように、仕事内容・量は医療機関によってマチマチです。
専門的知識と経験、正確性が問われるので責任が重い仕事ですが、その分やりがいも十分あります。
ここで大規模な医療機関と個人病院それぞれを、給与面や仕事量などで比較してみたいと思います。
大規模病院(大学病院や総合病院など)
給与面:毎年昇給があるところが多い。役職や資格手当の額も大きいところがある。
仕事量:患者さんの数が多い分医療事務の仕事量も多い。しかし医療事務スタッフの数も多いので、一人当たりの仕事量が極端に多いというわけではない。急な休みでも代わりが見つかりやすい。
医療事務以外の仕事:それぞれ専属のスタッフがいるので、基本的に医療事務以外の仕事は少ない。自分の職務に専念できる。
人間関係:医療事務スタッフのほかに医師や看護師、リハビリスタッフなど人員が多いため、それぞれで人間関係の問題が発生することが多いところもある。
小規模病院(個人病院やクリニックなど)
給与面:毎年の昇給がないところもある。昇給しても少額の場合が多い。大規模病院よりも給与が低いことがある。
仕事量:医療事務スタッフが少ないため、一人当たりの仕事量が多い。休日出勤や残業もある。急な休みがなかなかとりにくい。
医療事務以外の仕事:掃除、片付けなどを行うこともある。
人間関係:スタッフが少人数でコミュニケーションや関係を築きやすいが、その分関係が悪くなったら仕事をしづらくなる。
大まかに大規模病院、小規模病院それぞれの特性を挙げてみました。
どちらの医療機関が働きやすいのかは、個人の向き不向きがあるでしょう。
小規模な個人病院で仕事量や自分の裁量が必要な場合が多くてもマイペースに行う方が向いているのか。
それとも大規模な大学病院など医療事務スタッフが多くいる環境で仕事量や自分に求められる裁量が少なくても、集団の中で仕事をする方が良いのか・・。
それぞれにメリットデメリットがありますよね。
仕事内容と給与どちらを取りたいのか、あなたの本音はどうですか?
まとめ
医療事務の仕事は、医療機関によっても違うことをご紹介してきました。
どのようなスタイルで働くのが自分に合っているのか、病院の特性を比較しながら考える参考にしてみてくださいね。