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私は、整形外科クリニックで約4年間、内科医院で約7年間、医療事務の仕事をしておりました。
医療事務の仕事は、受付や会計の他に、カルテの作成、診療報酬明細書の作成など病院の細かな事務を担当する仕事です。
家事や育児をしながら働きやすい仕事のため、女性に人気のある仕事でもありますね。
これから医療事務の資格を取って働きたい人に、私が経験した医療事務の仕事内容をお伝えしたいと思います。
テキストの内容だけではない実体験が知恵袋としてお役に立てると嬉しいです。
医療事務の仕事内容で知恵袋にも乗ってる情報は本当?
整形外科クリニックには、そのクリニックの開業と同時に勤めることになりました。
看護師・放射線技師・リハビリスタッフ・他の医事課スタッフ・誰もがオープニングスタッフとして0からのスタートでした。
中には他の病院から転職の人もいたため、全員が初心者ではありませんが、皆初めて会う人ばかりでした。
とても良好な人間関係で「スタッフ一丸となって、良いクリニックにしよう!」と一致団結した張り切った雰囲気で頑張ることができました。
オープンの数日前から、院内の掃除や使用する医療器具の設置、私が所属する医事課ではカルテや書類棚の組み立てや設置も行いました。
また、レセプトコンピュータの練習など、準備は多岐に渡りました。
オープン3日前から、スタッフ役と患者さん役に分かれて診療のリハーサルも行いました。
医事課でのリハーサル内容は、まず、患者さんが病院を訪れたところから始め、受付で保険証と診察券を預かり問診票を記入してもらい、その後は待合室で待機してもらう旨を伝える、来院した時の受付業務の確認を行いました。
次に、診察やリハビリを終えた患者さんのカルテのレセプト入力と、会計をして診察料を頂くまでの一連の流れをリハーサルしました。
他にも、病院にかかってくる電話に対する受け答えについても練習しました。
スタッフ同士のリハーサルでしたが、やっておいて良かったと全員が思いました。
オープン当日は、多少の混雑はありましたが比較的スムーズに患者さんに診察を受けてもらえたと思います。
リハーサルを行ったことで、オープン当日の診療の流れを確認できたことが大きかったと思います。
オープンして数日が経った頃、改善したほうが良い点が出てきました。
オープン当初は看護師が1人で診察室1診と2診、処置室の3部屋への対応を行いながら、レントゲン室・MRI室・リハビリ室への誘導も行っていました。とても一人だけでは追い付かない忙しさでした。
そこで、医師と看護師から医事課スタッフも協力して進めることを要望されました。
要望の内容は、患者さんに書いてもらった問診票を見て、検温が必要な人には体温を測ってもらう、採尿が必要な人には紙コップに名前を書いて渡し尿検査をしてもらう、医師が診察する前の検査を医事課スタッフで行ってほしいということでした。
このことを医事課スタッフで行うようにしたことで、診察前の流れがスムーズに進むように改善されました。
医事課の方は、レセプト入力(診療報酬明細書入力)は、初めから電子化されていましたが、新規のカルテは手書きで作成した物を使っていました。
新規のカルテを作成する時は、患者さんから保険証を預かりコピーを撮ります。
コピーした保険証を見ながら、カルテに保険者番号・被保険者名・生年月日・年齢を手書きして、最後にコピーした保険証をカルテの裏側に糊で貼り付けました。
手書きということで中々大変な作業で、診察室にカルテを送るのに時間がかかり、患者さんの待ち時間も長くなってしまいました。
新規のカルテ作成も電子化することが出来れば、もう少し早く進めることができたのですが、当初使用していたレセプトコンピュータには、その機能が付いていなかったため、手書きの作成を続けるしかありませんでした。
そこで、他に時間を短縮する方法がないか考えました。
保険証のコピーを糊付けする作業も手間と時間が掛かっていたため、これをカルテの最後のページにクリアポケットを付け、コピーを入れるだけに変えてみたところ、作業のスピードを少し早くすることが出来ました。
オープン前の準備作業、オープンしてからの作業スピードの試行錯誤、どれも他の病院ならば既に出来上がっている作業内容ですが、新しいクリニックをスタッフ皆で一から作り上げていく現場の雰囲気は、とても前向きでやる気に満ちていました。
医療事務の仕事はテキストには書かれていない細かい気遣いや、地味な作業が沢山あります。
実際に仕事をすることで、皆で知恵を出し合いやり方を作り上げていく事が出来き、良い経験ができたと思っています。
医療事務の資格を独学でとるつもりならおススメ本!
私は、ニチイの医療事務講座で学び資格を取得した後、まず整形外科クリニックで勤務することができました。
その後、夫の転勤に伴い引っ越しをし、新しい土地の内科医院で働きました。
家事と育児をしながら働くことができる医療事務の仕事をぜひ他の女性にもおすすめしたいと思っています。
医療事務の資格を取るためには、ニチイやユーキャンなどで勉強する方法もありますが、独学で学ぶ方法も良いと思います。
実際に働いてみると、レセプト入力のことなど専門的な知識が必要なこともありますが、受付・会計・患者さんの診察前の対応など資格がなくてもできると感じることも沢山ありました。
まだ通信・通学講座などは検討段階!と言う人におすすめの独学用の本を5冊ご紹介します。費用も1冊5,000円以内と安く抑えられますので一度参考にしてみてくださいね。
「公費負担医療の実際知識 2018年版 実例・図解による請求事務マニュアル」
出版社;医学通信社
著者;安藤 秀雄
公費に関することが全て載っていて、イラストで分かり易い説明になっています。医療保険や後期高齢者医療制度のことなどは、患者さんから尋ねられることも多いので頭に入れておくと良い分野です。
「診療報酬完全攻略マニュアル 2018-2019年版」
出版社;医学通信社
著者;青山 美智子
診療報酬請求事務は複雑で難解内容ため、苦手に感じる人も多いようです。点数表の複雑な規定を一覧表にまとめられています。基礎的なことも図解して説明されていて初心者にも分かり易い入門書です。
「医療事務100問100答 2018年版:医療事務の必須基礎知識1冊まるごとQ&A」
出版社;医学通信社
著者;清水 祥友
医療事務の仕事について全般的に解説している資料になります。幅広い基礎知識を習得できます。クイズ形式になっているので隙間時間などに確認テストをしながら学ぶことができます。
「最新 医療事務入門 2018年版-窓口業務から保険請求、統計業務まで」
出版社;医学通信社
著者;木津 正昭
医療事務の基礎知識が図表・イラストを使って分かり易く解説されています。特に患者接遇の心得などマニュアル通りにはいかない対応など参考になりました。
「医療事務の現場で役に立つ 外国人患者も待遇と会話」
出版社;秀和システム
著者;医療事務総合研究会
日本には沢山の外国人が訪れるようになり病院にも多くの患者さんが診察に訪れるようになりました。英語・中国語・韓国語を中心に受付業務・予約や薬の院外処方など実際の業務を会話形式で説明してくれています。指で指し示すだけでコミュニケーションが図れるようになっているので便利に使えますよ。
医療通信社の書籍を多くご紹介しましたが、他にも受験対策用の問題集なども多く出版されていますので、合わせて見てみると良いと思います。
まとめ
病院に行くと必ず受付・会計を行いますね?
医療事務の仕事に興味のある人は、病院の医療事務の人がどのように仕事をしているのか観察してみてはいかがでしょうか?
注意して見てみると、テキストに書かれている仕事の内容がよく分かるようになりますよ。
カテゴリ:医療事務について