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病院に診察に来られる患者様は、0歳の子から高齢の方まで様々です。
中には妊娠されている方や認知症の方もいらっしゃいます。
医療事務の仕事は、このような様々な患者様に応対しなければなりません。
では、そういった様々な患者様にどのような応対をするべきか、経験からお伝えしたいと思います。
今、医療事務の仕事内容に悩んでいる方は、知恵袋として参考にしてくださいね。
子供の患者様への対応
子供の患者様は、病気や病院に対して不安や恐怖心が強いため、医療機関に行くことを拒むことがあります。
そのため、まずその強い恐怖心を取り除くことが大切になってきます。
また、小さな子供の患者様でも人格があります。子供だからと言っていい加減な対応をせず、一人の人間として尊重した対応をするようにしましょう。次のような点に気を付けてみると良いと思います。
- 腰を落とし、子供の目の高さに合わせ、きちんと子供の目を見て話しをする。
- 子供は不安な気持ちを抱えて診察の順番を待っています。受付や待合室では優しい笑顔で接することが不安を取り除くことになり、安心感にも繋がります。常に笑顔で接するように心がけましょう。
- 治療で必要な場合以外は、むやみに子供を押さえつけないようにしましょう。余計に病院に対する恐怖心が増えてしまわないように気を付けて接します。
- 入院している子供は、家族と離れているため不安な気持ちを抱えています。入院中であっても、少しでも楽しく明るい気持ちをもって過ごせるよう空間の演出も大切になってきます。
高齢の患者様への対応
高齢の患者様は、筋肉などの身体機能が低下し、動作が緩慢になり運動能力も低下しています。
周りの状況の変化に対応する力が低下し、ちょっとした段差に躓き転倒してしまったり、病気にかかりやすくなったりします。
また、視力・聴力などの感覚器の機能が低下するとともに、皮膚感覚も併せて鈍くなります。
高齢の患者様は人生の先輩です。敬う気持ちを忘れずに接することが大切だと思っています。
- 「おじいちゃん」「おばあちゃん」と呼ばずに、「○○さん」ときちんと名前で呼びかけましょう。
- 聴力の低下した患者様には、明るく大きな声でゆっくり分かりやすい言葉で話しましょう。大きな声を出す時も、怒鳴るような声にならないように気を付けて、目を見ながらしっかり伝えましょう。
- 「ご不明な点などございませんか?」などと、内容について理解できたか確認しながら笑顔で説明しましょう。
妊娠している患者様への対応
妊婦さんは、赤ちゃんの重みや、お腹の大きさで下の方が見づらくなっています。
素早く体を動かせないため、足下に障害物や段差に注意を払う必要があります。
病院内を案内する時は、「この先の床に段差がありますので、足下にお気をつけください」など、声をかけるようにしましょう。
また、待合室の椅子が満席の場合など、他の椅子を用意するなど、妊婦さんが立ったままにならないよう気を配ることが大切だと思います。
認知症の症状がある患者様への対応
一言で認知症と言っても、記憶障害、理解力や判断力の低下、実行機能の低下が起こるのに加え、うつ状態や妄想などの精神症状、日常生活への適応が困難になり行動に問題が起こるなど様々な症状があります。
中には、他人からの自分に対する感情や態度に敏感な人もいます。
それぞれの患者様の人格を重んじ、プライバシーに配慮しながら応対することが大切になります。
- 患者様を名前で呼びかけても伝わらない時は、ご家族から日ごろの呼び方を聞き、その呼び
方で話しかけるようにしましょう。
- 物事を理解できないと決めつけず、患者様の方をきちんと見て話しかけましょう。
- 前に話したことを忘れてしまっていることもあります。同じことも繰り返し伝えることが大切です。
- 診察を待っている間に、一人でフラッと外に出て行っていないか、どこか他の場所に行ってしまわないか気を付けて見てあげてください。
身体に障がいのある患者様への対応
障がいのある患者様の中には、自分に対する相手の反応に敏感な方もいます。
障害に対して周囲が過剰に反応したり、親切を押し付けたりすると患者様を不快にさせ、プライドを傷つけることになりかねません。
どのような障がいがあるのかによって、対応の仕方が異なります。
細心の注意を払って状況を読み、臨機応変に対応することが必要です。
目の不自由な患者様に対して
「お手伝いしましょうか?」など、患者様に意思を確認し、その上で必要に応じた手伝いをすることが大切です。
受付で保険証や診察券の受け渡し、会計のお金の受け渡しの時は、必ず声に出して患者様にやり取りの内容を分かるように伝えます。
耳の不自由な患者様に対して
大きい声なら聞こえる人、耳の近くで話せば聞こえる人、ゆっくり話せば口の動きを読み取ることができる人、手話や筆談が必要な人、それぞれ患者様に合わせた対応が必要になります。
大きい声で話せばわかる人には、聞き取りやすい側に立って話しましょう。
この時、プライバシーに関することを話す時は、筆談にした方が良いと思います。
杖を使用している患者様に対して
前方に障害物がないかを確認するなど周囲に気を配り、患者様が椅子から立ち上がる時は、「ゆっくりで大丈夫ですよ」と言った一言を添えて、焦らず行動できるようにしましょう。
医療事務の資格名、本当に内容を知ってます?
医療事務の患者様に合わせた対応の仕方についてお伝えしましたが、医療事務の資格にはいくつも種類があることをご存知ですか?
受付や会計の仕事が真っ先に頭に浮かぶと思いますが、国家資格がないため民間の資格が沢山あります。
自分に必要な資格は何かを考えてみてはいかがでしょうか?
メディカルクラーク(医療事務技能審査試験)
一番よく聞く資格ではないでしょうか?
40年の実績と信頼が就職にも有利と考えられ、年間2万人もの人が受験しています。
試験の合格率も60%と高く、毎月受験することが出来ます。
診療報酬請求事務能力認定試験
合格率が30%程度という難易度の高い試験ですが、医療事務で最高峰の試験と言われ、履歴書にも堂々と書ける資格として人気があります。
医療機関からの評価も高いです。
年2回、全国統一試験があります。
ドクターズクラーク(医療事務作業補助技能認定試験)
医師が行う診断書作成等の事務作業を補助する仕事で、医師から必要とされるやりがいを感じる仕事として人気があります。
試験の合格率は60%前後、2カ月に1度実施されます。
医療事務検定試験
医療事務全般の基本的な知識と技術が審査され、合格率88%程度ある易しい試験です。
他の試験との大きな違いは、実技試験に難しい診療報酬明細書(レセプト)の問題が無いことです。
そのため、合格率も高くなっています。毎月1回全国で試験のある初心者に人気の資格です。
まず、医療事務とはどんな仕事なのか試しに勉強してみるには良いと思います。
医療事務認定実務者(R)試験
ユーキャンの医療事務講座で受験できる資格ですね。
通信講座で学び、在宅で受験できることから、外出が難しい子育て中の人に人気があります。
毎月1回試験があり、テキストを見ながらマークシート形式の比較的易しい試験になっています。
家事や育児の合間に集中して学び、自宅で受験することが出来ることは、小さい子のいる家庭には魅力的ですね。
医療事務検定試験
医療事務全般の基本的な知識と技術が審査され、合格率88%程度ある易しい試験です。
他の試験との大きな違いは、実技試験に難しい診療報酬明細書(レセプト)の問題が無いことです。
そのため、合格率も高くなっています。毎月1回全国で試験のある初心者に人気の資格です。
まず、医療事務とはどんな仕事なのか試しに勉強してみるには良いと思います。
まとめ
医療事務には他にも、歯科医院で働く「歯科医療事務資格」、調剤薬局で働く「調剤薬局事務資格」、介護施設で働く「介護事務資格」などがあります。
どれも私たちが生活していて接することのある仕事ですね。
資格取得は、医療事務の仕事内容を学ぶために必要なことかもしれませんが、実際に働いてみると患者対応の大切さは経験してみなければ分からないことばかりでした。
医療事務に興味を持たれている方は、総合病院や個人病院の医療事務スタッフを観察してみると良いかもしれませんね。